Sponsored Link
前回まで学んできた交感神経や副交感神経は、自律神経の一部であるとお話しました。自律神経節とは、節前線維と節後線維の間のことで、今回はそこに作用する薬をまとめます。
図を見てもらえればわかるように、交感神経も副交感神経もニコチン性アセチルコリン受容体(NN受容体)を持ちます。上流であるニコチン性アセチルコリン受容体を刺激あるいは遮断することによって、下流に影響を与えます。
さて、ここで気になるのが自律神経節に作用する薬を投与すると、交感神経にも副交感神経にも作用してしまうのではないかということです。
答えはNoです。臓器は交感神経と副交感神経という2つの神経で支配されてはいますが、どちらかが優位となるように支配されています。ですので、自律神経節に作用する薬を投与しても、交感神経か、副交感神経のどちらか優位な方の効果が現れます。
交感神経が優位なのは、血管と汗腺です。副交感神経は血管と汗腺以外が優位です。交感神経だけ覚えて、残りは消去法で副交感神経と覚えれば楽に覚えられます。
交感神経は血管と汗腺に、副交感神経はそれ以外となるので以下のような作用を示します。
先ほどの自律神経刺激薬と反対の作用が起こります。ニコチンは少量では刺激作用がありますが、大量になるとニコチン受容体を麻痺させる効果があり遮断作用になります。
タバコは喫煙者がいざ禁煙しようと思ってもなかなか達成することができません。なぜなら、ニコチン離脱症状が現れ、イライラしたりしてタバコを吸いたいと思ってしまうからです。ニコチンはタバコの成分の1つであり、それを利用した禁煙補助薬があります。
外用薬であり、喫煙時のレベルを超えないニコチンを放出します。そうすることによって、ニコチンの離脱症状を減らし禁煙状態に慣れてゆきます。用法用量や投与期間が変則的であるので注意が必要です。
Sponsored Link
Sponsored Link
こちらは内服薬で、脳内のα4β2ニコチン受容体に部分作動薬として働きます。刺激作用は離脱症状を減らして、拮抗作用はタバコ喫煙時の満足感を減らして吸いたいと思わせないようにします。こちらも用法用量や投与期間が変則的です。